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『黄帝内経』中医学の精と神


『黄帝内経』中医学の精と神


「精神」、英語に訳すとspirit、mind, soulなどになります。

中医学の角度からみると、

spiritは心が司る「神」で、

maindは脾が司る「意」で、

soulは肝が司る「魂」のように分けて訳されています。

全て非物質的な物です。

 

日本語のデジタル大辞泉によると

【せいしん精神】

1 人間のこころ。また、その知的な働き。「健全な精神」

2 物質に対し、人間を含む生命一般の原理とみなされた霊魂。たましい。

3 物事をなしとげようとする心の働き。気力。「精神を鍛える」「精神統一」

4 物事の基本的な意義・理念。「憲法の精神」

5 ある歴史的過程や共同体などを特徴づける意識形態。「時代精神」「民族精神」

 

 

 

しかし、古代中国語の中で

「精神」という言葉は本来「精」と「神」それぞれの意味がありました。

 

「精」は私たち摂取した飲食物が胃の中で腐熟されて変化した「水穀精微」をさします。

即ち、「精」は飲食物から由来し、物質的な物です。

 

「神」は中医学では

①自然の規則、規律、ルール、

②広義の神

③狭義の神、

三つ分けて解釈しています。

 

自然のルールや規則などが分かりやすいです、

例えば、夏は暑い、冬は寒い。

自然の規則を置いといて、

身体と密着に関連する広義の神と狭義の神を見ましょう。

 

まず広義の神は身体の活動を通して現れた様子、雰囲気、オーラーなど

非物質的な物を指します。

物質的な身体が活動しないと、神は生まれません。

 

狭義の神は具体的な意思、思惟、意識などを指します。

例えばヒーローになりたい、死にたい、生き残りたい願望など。

これも物質的な身体に依存して存在する非物質的な物です。

 

【精神】という言葉は古代中国語の中で、

本来「精」と「神」はそれぞれの意味を持っていて、

「精」を基礎にして「神」が生まれる;

「神」は「精」の昇華、即ち高次元の存在だという関連性を

きちんとあらわしていたのに、

現代中国語の中ですべて消えて、

「非物質的な「神」の意味しか残っていません。