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2015年2月14日 高山林太郎先生にインタビュー


2015年2月14日 高山林太郎先生にインタビュー

日本アロマの元祖―高山林太郎先生のインタビュー

 

 

2015年1月7日 東京新宿

 

Q1.先生のプロフィールを拝見しまして、元々外国の鉄道の資料を翻訳するお仕事をしてらっしゃいましたが、その後どういうきっかけでアロマ関係のお仕事をしようと思いましたか?

 

 私の母親は69歳の時、抗生物質の副作用で亡くなりました。その時抗生物質や化学合成薬を使うのが主流でした。勿論、近代の西洋医学は感染症やウィルス性疾患に対し効き目が早いメリットは否定できないですが、副作用というデメリットの部分があるのも事実です。それに対して別な治療法はないか、植物療法や、漢方療法等代替医学も近代西洋医学と同時に存在しなければないと思いました。それは一番のきっかけかと思います。

今は思い出したら、昔国鉄に在籍している時の経歴が私の「科学的な思考」を養ったのかもしれないです。

 

Q2.先生は日本アロマの元祖として1985年ヨーロッパからアロマテラピーを体系的に日本に導入しました、具体的にどんな体系でしたか?

 

 先も話をしました、近代の西洋医学は主流になっていた時代で、日本の医学界は伝統的なハーブ治療や植物療法をすぐに受け入れなかったのです、今のように学校教育や試験制度等すぐに作るのが不可能でした。その時私は翻訳の仕事を通して、植物を利用する知恵、植物療法のすばらしい所を皆さんに紹介し、それから、少しずつ皆さんは植物療法に対して理解できるようになりました。

 植物は我々人間、動物と違います。人間或は動物たちは危険を感じたらすぐ逃げることができますが、植物は逃げるのができません。暑い時や寒い時等、植物たちはどういう風に自分を守るのが、それは植物の知恵ですね。我々人間は植物の知恵を利用したり、学んだりをしなければならないのです。

 

Q3.日本のアロマセラピーは今年まで30年間発展しました、一番素晴らしい所をご紹介して頂けませんか?

 

 日本で30年間アロマセラピーの発展のお蔭で、日本人の考え方は変わりました。

昔の人々は漢方治療や植物療法は古いと考えました。しかし、近代西洋医学の治療は「病気を治す」という考え方でした。それは対症療法です、根本的な考えではありません。

 病気と身体を分離して治療する思考から、東洋医学の「病気になった身体の全体的に治す」つまり病気になった人間を治すという考え方次第に広まりました。例えば生活習慣が悪い、食事の栄養バランスが悪い原因で病気になりました。その時病気になった部分だけではなく、その人生活習慣の悪い所と栄養バランスよくないところを直さなければならないです。そういうところはアロマセラピーも東洋医学と同じような考え方です。

 ヨーロッパの植物療法とその新しい形として生まれ変わったアロマセラピーを人体に色んな影響を利用し、西洋療法を認めながら中医、西洋の伝統的植物療法、アロマセラピーを通じて人間の身体について、より高いレベルで人々は理解するようになりました。

 

Q4.先生はアロマ研究室を立ち上げてから、主にどんな分野で研究をされましたか?

 アロマ研究室を立ち上げてから、正しい知識を伝えることは私の一番の仕事でした。大脳生理学や、近代医学に情報を提供、伝達する為に、医学、植物学、心理学等たくさんの知識を勉強しなければなりません。

 

 

Q5.先生はたくさんのアロマ書籍を翻訳されましたが、その中、一番勧めるのはどんな本ですか?その理油は何でしょうか?

 

 私は一番お勧めの本はロジェ・ジョロアさんが書いた「フランス・アロマセラピー大全」ですね。この本は精油成分を電気化学的なアプローチして、高い視点からアロマセラピーを見直しました。

 この本は絶版になりまして、なかなか入手することができなくて、残念ですね。

 

Q6.アロマの書籍を翻訳する時他の書籍と比べると、一番難しい所は何ですか?その時、先生はどういう風に克服されましたか?

 

 私は大学で医学知識、植物学、動物学の知識等を本格的に勉強したことはありませんでした。しかし、翻訳する時は著者と同じ知識レベルにならないといけないです。ですから、勉強するのは苦労しました。勉強するしかないです、今でも毎日勉強をしています。勉強には王様専用道がないですね。

例えば一つの地域の環境汚染について、どんな工場から何種類どんな有害物質を排出したか、そしてどんな病気がその周辺で発生したかを知る必要があります。その現象と結果の結びつきを調べるために、数学の統計学の知識が必要です。そのため、統計学を勉強はしなければなりません。

  

Q7.アロマのお仕事をされている時、先生は何回ヨーロッパやオーストラリアまで足を運びましたと伺いましたが、その目的と収穫を教えて頂けませんか?

 

  私は10回くらいヨーロッパを訪問したことがあります。目的はアロマセラピーの国際会議に参加したり、植物栽培の地域に行って芳香植物を見たり、原著者に会いに行ったりするのが目的でした。植物を見るために非常に高い所まで辿り着いたことがあります。ロバート・ティスランド氏や、モーリス・メッセゲ氏や、マギー・ティスランド氏等、たくさんの原著者に会いました。そして現地でアロマセラピーの第一次情報を獲得することは一番の収穫でしたね。

 

Q8.アロマセラピーを実践する時、一番大事なポイントは何ですか?

 

  アロマセラピーを実践する時一番大事なことは二つがあります。一つは正しい知識を獲得することです。二つはピュアな精油を使うことです。

  ピュアな精油はどういう意味というと、例えば同じ芳香植物はA,B,C,D四つの産地から収穫した精油を混ぜることがあります。それはピュアの精油とは言えません。精油はワインと同じ、その年気候の影響で抽出されたエッセンシャルオイルの香は微妙に違うのは当たり前です。例えいい香りを作り出すためにA,B,C,D四つの産地の精油を混ぜたら、それはもはやピュアな精油とは言えません、それは調合精油と言います。これを間違いなく100%天然な植物オイルですけど、ピュアではありません。それは、ただの化学的成分の集団で、工業製品と同じです。ですから、アロマセラピーに使うのは一つの産地から作られて調合していない精油を使わなければいけません。

  

Q9.今は先生毎日どんな生活を送ってらっしゃいますか?

 

  今私は東京で一人暮らしをしています。毎日アロマセラピーと無関係の分野を勉強しています。

実は私は今やっていることはレオナルドダヴィンチの絵「モナリザ」の陰影技法スフマートと同じです、直接にアロマセラピーの輪郭を描くのではなく、無関係の知識を勉強する事からアロマセラピーは何ですかと考えています。

 

Q10.毎日生活の中で、先生ご自身もアロマを使っていますか?

 

 私は自宅で毎日お風呂に入る時精油を使います。朝はローズマリー油を浴槽に入れて気分をリフレッシュし、夜はラベンダー油を浴湯に落として心身をリラックスさせます。朝はお湯を少しぬるくし、夜は熱めにします。それは大事なポイントです。これを毎日欠かさず実行しております。

 

Q11.先生はいつもご自分が「仙人」だと仰いましたが、何故ですか?

 

  それはある知人の冗談から生まれたものです。以前、一人の女性は私のファンでした。彼女は毎月北海道から東京に、私に会いに来ました。私の事が好きみたいでしたね。彼女は初めて私が仙人だと言いました。私は好きな女性はいるけど、その人は私の心の中にいて、現実の女性には近づかないですね。

  中国には「小仙隐于山,大仙隐于市」という言葉がありますね。

  先生は東京に住んでいるから、先生は「大仙人」ですね。(笑)

 

Q12.昨年12月、中国のアロマ協会(中国芳香植物産業協会)が成立しまして、今年4月24日―27日中国の河南省で初回アロマフェアを行う予定ですが、高山先生も中国アロマ協会にご招待され、講演を行う予定ですね。先生はアロマセラピー発展の先行国の代表として中国にアロマセラピーの発展に対する期待と心配についてお話をされますか?

 

 私は中国のアロマ現状や国民がアロマに何を期待しているのが知らないので、外国人として中国のアロマはこうすべき、そうすべきというようなことは言えません。今回の講演は日本のアロマセラピーの歴史について話しましょう。

 

Q13.これから日中アロマ交流について、どんな方面で活動ができると思いますか?

 

 李博士の話によると、中国には独自な芳香植物があります。例えば無農薬の牡丹から採油した精油など、多分バラ油と同じような高い値段になると思いますね、それを日本に輸入したり、日本のゆず(Citrus junos)油を中国に輸出したりすることができます。もちろん、学問交流の事もできますね。

 

 

 

 

今日はどうもありがとうございました。